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平成21年9月2日水曜日

自然が壊れていく・・・



社員旅行の道中、我々載せたバスは最上川沿いの山あいの国道を走っていた。最前列で窓越しに流れる風景を見ていると、バスの運転手さんがつぶやいた。
「最近、山の木々が大変なことになっているんですよ」

この一言で、旅行中の私の気持ちを最上川の深淵まで沈めた。

写真を見て何か気づきませんか?
山は紅葉してますね。
でも、紅葉って黄色とか赤とかなんですが、葉っぱが錆色なんです。
実はこれ、「害虫による枯れ」なんです。

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数年前から、地元でも「松枯れ」がひどく、山々にある松という松が枯れてしまった。
原因は「松くい虫」。この虫は、カミキリムシに媒介し、あっという間に日本の山々を席巻してしまった。
この松くい虫・・・マツノザイセンチュウは外来種です。抵抗力の無い日本の松は次々と犠牲になってしまいました。
ただ、私個人の意見として、温暖化などの原因により、日本の松も抵抗力が無くなったため、害虫にやられやすくなってしまったのではないかとも思っています。
そして、山は、「ブナ」そして「ナラ」と外来種の害虫が次々と入り、山が真っ赤になってしまいました。
進行を食い止めるため、枯れた木を切り、殺虫剤をかけ、ビニールで覆い、被害を食い止めていますが、次々と現れる外来種に、原生林は丸裸にされています。
将来、温暖化が進めば、このような過程を経て、亜寒帯から温帯の植生の木々が無くなっていくのでしょうか。
私は、地球温暖化の過程の一部を見てしまったように思えて仕方がありません。

今まで誇りに思っていた我々を取り巻く山々。その目の前の風景が、変わり果てていくさまを目の当たりにして、私の心は悲しい気持ちでいっぱいになりました。


「ブナ」は葉っぱだけの被害だから、再生しやすいと言われてますが、枯れてしまった「ナラ」はもう二度と戻りません。
人間の手で運ばれた害虫が、山の生態系を壊し、回復できない(回復に100年単位の時間が必要)状況に、心を痛めております。

送信者 秋へ 2009

我々は、この状況を何とかできるのでしょうか?
Posted by Picasa
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補足(2009/09/06)
『松枯れ』
松くい虫は、アカマツにマツノマダラカミキリがついた際、カミキリの寄生虫である「マツノザイセンチュウ:外来種」がアカマツに宿り、水を吸い上げる管に繁殖します。体長わずか1mm程度である線虫なのですが、水のくみ上げを阻止するまでに大量に繁殖し、最後にはマツが衰弱し、やがて枯れてしまいます。その衰弱したアカマツに、カミキリがつき、幼虫~蛹になる時に、線虫がカミキリに寄生します。そして、また、大量に成虫となったカミキリたちが、次の松の木をめがけて飛んで行くのです。
昭和54年ごろから被害が現れ、平成13年にはピーク時の三分の一程度になったらしいのですが、最近、また被害が増えたようです。
枯れた木を薫蒸したり、伐採し殺虫することで、カミキリの発生を抑制し、一方、アカマツの植樹などで森林再生をはかっているようです。
『ブナ枯れ』
ここ山形の内陸部のブナ枯れは、食葉性昆虫「ウエツキブナハムシ」が大量発生したことによる「葉枯れ」が原因です。詳しい人のコメントによると、
「ブナハムシは、5年から10年周期で大量発生し、約3年で自然終息し、葉が茶色になるだけで木を枯らしたり弱らせたりすることもないだろう」といっているので、そんなに心配はしておりませんが、この大量発生のサイクルが頻繁になるとどうなるかわかりません。この大量発生の原因しだいではないでしょうか?原因が、「温暖化」や「酸性雨」などであれば、今後心配です。
『ナラ枯れ』
松くい虫とメカニズムが似ています。ナラ枯れの場合は、「カシノナガキクイムシ」が「ナラ菌」を媒介し、その「ナラ菌」が樹幹で繁殖します。そして、形成層を壊死させ、通水阻害(管が塞がり、水を吸い上げられなくなる)され、樹木が枯れていくようです。ただ、こちらは外来種ではなく、古来からいる種が大量発生しているようです。枯死した木のまわりは、木屑(フロス)が散乱します。そして、その木からまた健全な木に集中穿入するらしいです。健全な木も対抗策として、樹液を大量分泌しカシノナガキクイムシを死なしめることもあるらしいです。「ミズナラ>カシワ>コナラ>クリ」の順にやられやすいそうです。
また、ドングリを餌とする虫や野獣の消滅、またこれらの樹液を好物とするカブトムシたちもいなくなる恐れがあります。
また、高層木であるこれらの木々が枯れてしまうと、今まで日の当らなかった地面層にも日光が入ってしまい、植生のみならず微生物環境まで変わってしまいます。また乾燥などにより土壌は流出しやすくなり、保水や炭素固定力も落ちてしまうといわれています。
そのキクイムシを殺虫剤やキノコ菌で殺虫したり、薫蒸や防かび剤でナラ菌の繁殖を抑制・遅延させるのが効果ありといわれています。

10 件のコメント:

Haru さんのコメント...

これは深刻な問題です。ナラや広葉樹、針葉樹を扱うものとしては見過ごせない問題です。生き物も死んでしまいます。

donn さんのコメント...

マツクイムシ被害は随分随分以前からの話ですからね。確かに温暖化で記事体が弱っているって、理に適っている気がしますね。
「愛国」もいいけど「愛国土」しないと・・・。

寅さん さんのコメント...

其方もですか?
今年訪れた伊是名の松は昨年に比べて快復をしてきたかな?・・・と嬉しく思ったのですが。

「木は人です!」
仲間(木)を救う為に人が(仲間として)手を加えるべき時期なのか?
在るがままの自然治癒力に任せるのか?
手助けは必要なのでしょうが?
何かをしないと・・・。

ひでお さんのコメント...

数年前の沖縄本島をはじめ伊是名島の松は、松くい虫の影響でかなりダメージがありました。それは同時に松くい虫だけの性じゃなくて、中国からの黄砂や酸性雨が影響していたとの事です。

さらに伊是名島では、数年前、四ヶ月もの間、雨が僅かしか降らず、その大部分が枯れかかってしまいました。その時の様子はボクネンさんのドキュメント映像に残っています。
それはそれは、もう山全体が紅葉しているかの如く惨憺たる状況でしたが、一旦、葉を落とした琉球松は、去年辺りから今年にかけてかなり復活してきたように思います。もちろん、根ごと枯れ果ててしまったのもかなりあります。

このあたりのことは、Bセンセーが映像でアツク語っていたのが印象的でした。

個別の地域の問題も確かにありますが、やはり地球全体で考えていかないと、ヤバイ時期に差し掛かっているのでしょうね。


良いエントリーでした。
ありがとうございました。

JUN姫 さんのコメント...

うわあ、ひどいですね。
前に、外国の森林地帯でもマツクイムシの被害を報道していましたが、冬の気温が高くなった為に虫が死なない事もあるようでした。
目に見える程になったという事は、相当深刻という事ですよね。
天敵を人の手で持ち込めば、また新しい何かが起きてしまうこともあるだろうし…。
本当に深刻です。

Zabun さんのコメント...

>大工のハルさん
やはり、木を商売にしている人の意見ですね。日本の住宅には、日本古来の材木のほうがいいと言われたことがあります。

ハルさんの仕事のためにも、この枯れが、生態系を破壊しないでくれることを祈っています。

Zabun さんのコメント...

>donnさん
ヨーロッパあたりは深刻な被害がないんでしょうかね?酸性雨とかはよく聞きますが、害虫による被害も気になりますね。

ヨーロッパは住民の意識も高いときいてますが、実際はどうなのでしょうか?

Zabun さんのコメント...

>寅さん
そうですね、松の被害はだいぶ落ち着いてきました。でも、ブナやならの被害は・・・

詳しくはこんな感じです。
http://www.pref.yamagata.jp/regional/syonai_bo/bussiness/farm/7337050naragare.html

松くい虫もそうでしたが、ナラ枯れの場合、「カシノナガキクイムシ」が水を吸い上げる管を塞ぎ、水を吸い上げられなくなった樹木が枯れていくようです。

でも、松くい虫とは関連がなく、木くい虫のほうはナラ菌を枯れ木から健全な木に運ぶようですね。また、松くい虫は外来種ですが、この木くい虫は外来種ではないようです。

とはいっても、山を枯らすのは間違いないわけで、茶色になった山は、抵抗力の落ちた山の印象が強いです。

Zabun さんのコメント...

>ひでおさん
そう言われてみれば、Bセンセーのドキュメントでそんな流れを見たような気がします。

しかし、黄砂、酸性雨、光化学スモッグ・・・隣国の歪部分を我が国はもろに受けていますね。

ところで、
我々B&Tの仲間たちは、環境や癒し系の繋がりで繋がっているだけに、こういった内容には非常に敏感ですね。ですから、音楽ユニットTの唄も心に響くんですよねぇ。

なんとかせねば・・・の気持ちをこの「命の森」グループでもムーブメントにしたいですね。

Zabun さんのコメント...

>JUN姫さん
そうですね、外来種を撃退するために外来種の天敵を入れたら、それらが害ある生物になってしまったケースも多々ありますよね。(カエルとか)

よーく見てみると、タンポポ、ヒメオドリコ草、ミツバチ、マツ虫、ザリガニ、ブラックバス、ブルーギル・・・そこらじゅうに外来種が。
最近では、カブトムシやクワガタ虫も外来種が繁殖できるようになり、古来種を席巻してしまっているようです。
始末の悪いことに、外来種と古来種の混血種も発生してます。

まいったなぁ。