「おくりびと」を「たずねびと」
日本アカデミー賞各賞総なめ、また本場ハリウッドで行われた「アカデミー賞外国語映画賞」を受賞した「おくりびと」。もちろん、ストーリーや日本ならではの死に対する尊厳の表現など、中身も充実しておりました。それに加えて、山形県内各地でロケが敢行され、その素朴な風景や味のある建物なども話題となりました。
現在でも、「おくりびと」受賞での感動と旋風は熱いままで、DVDが発売になった現在でも、いまだロングラン上映中、地方巡業上映中であります。
山形では、置賜の「天地人」、庄内の「おくりびと」、村山の「モンティディオJ1昇格」と勝手に盛り上がっているところです。
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私ももちろん見に行ってきたのですが、その作り込みのすごさとストーリーへの引き込まれ方に感動をしてまいりました。地吹雪のシーンの最初から泣いて笑って、泣いて笑って、泣いて、泣いて笑って、泣いてと泣き笑いが二時間で8回もありますから、飽きないし感情が高ぶったまま見続けられるという非常に珍しい映画でした。本当にいい映画でした。(これを見るときは、やはり、生活感のない映画館でどっぷりと浸るのが最高ですね)
おそらく、私も映画を見る方ですが、過去見た中では間違いなく三本指に入る名作となりました。涙があふれて止まらないし、映画終わった後も感極まってしまい、映画の話ができませんでした。話題に触れるとまた涙がこみ上げてくるからです。これほど目が腫れてしまった映画はあまりありません。
おそらく、見ている人それぞれの「惜別の念」とオーバーラップするのだと思います。だからこそ、多くの人との別れを経験してきた人ほど、感情移入してしまうのではないでしょうか。
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映画の中に、時折白鳥が出てきます。メインロケ地になった酒田市周辺には、越冬するために白鳥をはじめとした渡り鳥たちが沢山います。そのなかでも白鳥は「魂を運ぶ鳥」ともいわれ、まさに「おくりびと」にもぴったり。そのあたりの韻を踏むようなところが、映画には数多く出てきます。
日本の文化や風習を外国の人に見せたいという思いなのか、葬式のバックにひな人形があったり(通常なら片付けますよね?赤色だし)、山形らしさの演出で花笠や太鼓があったり(庄内で花笠はあまり踊りません)、土着の風習の葬儀(最近ではめずらしくなった)を撮影したり・・・改めて感心します。
もともと富山の方が書いた本が原作ですが、庄内がロケ地になったことで「納棺夫日記」という映画タイトルは付けられなくなりました。そのため、「おくりびと」とタイトルになりました。
そのロケ地の庄内は、「空港がある」「高速がある」「電車もある」「庄内映画村という映画ロケ誘致団体があり、地元協力も得られやすい」「ロケもしやすいし、ロケハンもかなり楽」「ほどよく田舎」ということで、低コスト予算(おそらく3億?)で作成するにはもってこいだったと言われてます。
出てくる潰れかかったオーケストラは山形交響楽団で世界的に有名な飯森範親氏が実際に指揮をとり、本木雅弘さんのチェロの演奏をしています。本木さんのチェロへの情熱はたいへんなもので、役者根性を改めて思い知らされました。広末涼子さん演じる奥さんがチェロを音を聞きながら眠るというシーンがありましたが、実際にホテルの屋上?で本木さんがチェロの練習をしている音を聞きながら、広末さんは寝たといっておりました。その山形交響楽団は、指揮者村川千秋氏が結成に携わりました。その村川千秋氏は、村川透監督のお兄さんです。村川透監督といえば、「西部警察」「あぶない刑事」「はみだし刑事 情熱系」「探偵物語」の監督で、映画「野獣死すべし」でも監督し、お兄さんが指揮者として登場します。
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まぁ、語ると尽きないのですが、簡単にいえば、夫婦でハマりました(笑)
で、たまたま酒田に出張がありましたので、そのロケ地を巡りながら、家族で2時間ほど散策と食事をしてきたのでした。海のものも山のものもおいしい街です。
そんなざぶん家のお散歩もスライドショーでどうぞ。
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